狩猟採集社会(しゅりょうさいしゅうしゃかい)とは、主に人類学上の言葉で、野生の動植物の狩猟や採集を生活の基盤とする社会を指している。
狩猟採集者たちは、移住を続け、流動的な共同体の境界や社会構造をしていた。 考古学上の発掘によると、1万年から1万5千年前の間は、人間はすべて狩猟採集社会であった。 現在、狩猟採集社会は、北極圏や熱帯雨林、砂漠などに存在している。また、ほとんどの狩猟採集社会には、連続的な歴史の記録がない。それゆえ「歴史なき社会」、記録がなかったことから「無文字社会」とも呼ばれる(ただしこれらの総称の中には農耕社会や牧畜社会も含まれる)。
19世紀から20世紀にかけては、社会進化論に基づいて狩猟採集社会→農耕社会という「進化」を世界的に適用する論者もいたが、これは本来自文化中心主義的な西欧人による理論であり、狩猟採集社会が農耕社会に劣っているという主張もまた同様に自文化中心主義的なものでしかない。
狩猟採集社会の人口密度はとても低いが、農耕をするようになると、1エーカー(約4047平方m)の土地で、60人から100人を養えるようになり、人口を増やすことができた。
狩猟採集社会の社会構造は多様である。ある社会には首長がいるし、そのような存在が確認されない社会もある。 一般的に見て首長に権力は存在しない。首長が権力を持とうとするのを妨げる集団世論が働いているのである(ピエール・クラストル『国家に抗する社会』参照)。ただし戦時中のみは一人の人間(指導者)に権力が集中する。代表的な例が北米のジェロニモである。しかし、彼は戦争が終わってからも戦時中の指導者としての地位を保とうとしたために、その後の生涯はみじめなものとなった。
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以前は「余剰食物が出ることは稀」とされていたが(生存経済)、民族誌の蓄積により、彼らは生存に必要な量の倍の食料を生産でき、さらに原始農耕よりも労働時間が少ないことが判明している。また、ほかの「無文字社会」においても農耕社会における労働時間は、現代の我々(日本人)と比してかなり少ない。 専門的な指導者や役人や職人といった人たちは滅多にいないが、ジェンダーによる職業の分離などは行なわれている。
農耕社会と狩猟採集社会の境界線は明確ではない。 多くの狩猟採集者は、食料となる植物を増やすために、その土地の他の植物を伐採したり、焼いたりといった方法を用いていた。 また、農耕者たちも狩猟や採集を続けている場合や、温暖な時期に農業をし、冬になると狩猟をするという場合もあった。